本覚寺の歴史

貝寺『本覚寺』

貝寺として親しまれている、浄土宗のお寺です。

本覚寺の創建について、詳細は残っておらず、応仁年間(1467~69年)との一説もありますが、過去帳によると、寛永10年(1633年)から始まったとされています。

旧記によれば、古来白良浜(白浜町)の奥寺谷にあった真言宗のお寺を、元禄年間に現在の瀬戸に移し、その際に浄土宗に改宗したとされています。

本覚寺は「貝寺」の名でも広く知られています。昔から海辺のお寺として漁民達より貝殻の寄進を受け、蒐集していました。徳川御三家の紀州藩主に珍しい貝を献上していたこともあり、歴代の藩主が何度もご来遊くださいました。

御本尊

御本尊は高さ120cmの阿弥陀如来像です。

本覚寺の阿弥陀如来像は、元禄時代に江戸の増上寺に船で運ばれる途中で嵐に遭い、白浜付近で難破して浜に漂着したために、一度本覚寺で預かったものでした。

その後、増上寺に移そうと船に運んだところ、静かだった海が急に荒れだしたのです。何度か増上寺に移すよう試みましたが、その度にこのようなことが続きました。和尚が拝むと、阿弥陀様が「江戸へは行かずにこの寺に残る」と仰り、それ以来当寺院の御本尊となりました。

元禄8年(1695年)に開眼供養を行っています。